「怠惰の法則」と「ランジェリー」
2018年 02月 20日
Twitterを眺めるようになって1年ほどになるのですが、興味のある情報が集まってくるのでおもしろいですね。(遅い。笑)
定期的にチェックしているひとりが、深津貴之さん。
(全然面識はないのですが)
深津さんのお話しで最近印象的だったのが、「怠惰の法則」について。
なるべくラクに使えるツール・技術が生き残っていく、そして人間の能力が拡張されていくという内容なのですが、こちらの記事によくまとまっていました。
音声できけるかたは、こちらをどうぞ。
この「怠惰の法則」(なんというパワーワード!笑)を服飾史やランジェリーに当てはめてみるとまた面白いですね。
今日のブログはそんなトピックです。
かつて限られた階級のものだったモードも、産業革命を経て大量生産が可能になっていき、多くの人が享受できるファッションとして現在わたしたちもその恩恵にあずかりたのしんでいます。
その変遷のなかで、やはりラクに身につけられるもの・簡単に手入れできるものが、リアルクローズや定番アイテムとして残っているように感じます。
そして女性にとって、ファッションと切っても切れない関係にあるのが、ランジェリー。
衣服を美しくみせるため女性の体型をデフォルメしたコルセットから、ブラジャーやショーツへと移り変わり、タンガが発明され、素材も改良がすすみ、どんどん快適なものがうまれています。
そんななかで昨今のブラトップ人気。
「怠惰の法則」に当てはめると、腑に落ちます。
わたし自身は美しいランジェリーが好きなので、世の中が簡単で気楽なブラトップばかりになってしまうのはちょっと寂しいのですが、この法則に当てはめるとこの流れはもうとまらないのかも、とも思います。
慣れてしまうとブラとキャミの二枚着るのも、きっとめんどくさいですしね。(笑)
(コンフォートで素敵なボディも、この流れで人気が出たらいいなあ!)
もうひとつ思い当たるのは、トライアングルブラやブラレットの人気。
数年前まで、トライアングルブラはおうちでつけるもの、趣味のアイテムとして、海外ブランドのコレクションのなかでもひとつふたつあればよいほうでした。
でも今は変わってきましたね。
エフォートレスなスタイルが流行し、そういったファッションにつくりこんだ胸もとはなんだか力んでいて、"カッコ悪い"。
寄せてあげて、バストを強調して大きく見えるほうがよい、というのはもはや過去の価値観となりました。
(それはそれで必要なシーンや服もあるけれど)
上記法則にあてはめると、ランジェリーの”新しいイデオロギー・価値観の誕生”の瞬間に、わたしたちは居合わせたのかもしれません。
なんだか感動的!(笑)
ワイヤレスの着心地は従来のブラジャーよりラクちんで、同時にナチュラルなバストを魅力的にみせてくれるので、ただラクなだけでなく綺麗。
この辺も人気の秘密でしょうね。
触れた時のナチュラルなやわらかさに、男性からも少しづつ支持が増えている実感も。
(当方の聞き込み調査による、実際どうなんでしょう?)
ワイヤーやパッドが無い分クローゼットのなかでも幅をとらないし、多少くしゃくしゃになってしまっても問題なく使えてしまいます。すぐ乾くし。(笑)
めんどくさがりさんもお手入れを気負わなくてよいですね。
トライアングルブラは、わたしは大好きなのですがいまいち実用的ではないとされて、数年まえまではあまり売れないアイテムの位置づけでした。
なので、着るかたが増えて個人的にはうれしい傾向♡
逆に老舗のランジェリーブランドは、こういった新しい感性をとりこむのにちょっと苦戦しているようにも感じますね。
ラグジュアリーでありながらコンフォート。
エフォートレスで優雅。
いちランジェリーラヴァーとして、老舗ならではのそんな新作にも期待!したいところ。
また、ランジェリーを「身体性」や「女性性」を拡張するツールと捉えてみるのもおもしろいです。
"アスレジャー"(※1)の波がランジェリー界隈へも波及してきています。
ヘルシーで快適。
ボディラインを強調しながら、ファッションアイテムとしてひとに見せることもできる。
現代をサバイブする"タフで意志的なセクシーさ"という、これまでより強い女性像もまた、"女性らしさ"に加わりました。
ジムウェアやヨガウェアに続き、ルームウェアやランジェリー売り場にも"アスレジャー"を意識したデザインが増えてきたのも、当然の流れかもしれません。
(※1)"アスレチック"と"レジャー"を組み合わせた造語。スポーツmixの進化形ファッション。
でも同時に、秘かにたのしめること、ラグジュアリーであることや憧れをしのばせることができるのも、ランジェリーの魅力的な要素のひとつ。
女性性や人生を、より豊かにたのしむためも大切なこと、とわたしは思います。
(美しく華麗な無駄と手間の世界!愛でていきたいですね。笑)
そして、これだけ多様なランジェリー・インナーを選べる時代が、かつてあったでしょうか?
ライフスタイルにあわせて、その日の予定や気分にあわせて、自由に女性性をたのしめる時代です。
謳歌しないのはもったいない!
これからのランジェリー売り場がどう変わっていくのか、現代の女性にどのように支持され、どんなバランスに変化していくのか、想像するとわくわくします。
さて、早くも2018-2019秋冬コレクションのオーダーシーズンがスタートしました。
来季はどんなランジェリーにハッとしたり驚かされるのでしょう?
皆さまそれぞれの「ラクちんとキレイの心地よいバランス」を、見つけていただけたらいいなと思いつつ。
悩ましく資料を眺めるのもまた楽しい時間です。
ここからはちょっと宣伝。
C.Thomassのビジュアルも、秋冬はこれまでと大幅にイメージが変わるようです。
個人的にとても可愛くて気分にフィットしたビジュアルなので、来シーズン皆さんにご紹介できるのがたのしみ!
Andres Sardaは、今月中に顧客さまへご案内できそうです。
スーパーラグジュアリーなムードはそのままに、シンプルなデザインも少し増えたように感じます。
こちらは顧客さまむけのメルマガでご案内しますので、たのしみにしていてくださいね。
3月は展示会まわり。
3/24-25に受注・販売のイベント(予約制)を恵比寿で開催予定です。
HPの更新は3月はちょっとゆっくりになりますが、のんびりたのしんでいただけたら幸いです。
4月から本格的に春の新作を更新予定です。
都内近郊のかたは、イベントへもぜひ遊びにいらしてくださいね♪
イベントでは、HP掲載の商品の実物に触れてサイズ感もたしかめられます。
なかなか自サイズが見つからないかたは、サイズのご相談などもうかがえますので、個人オーダーにトライしてみると新たなたのしみが広がると思います。
by lagouttesucree
| 2018-02-20 21:13
| ランジェリーよもやま
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